自動車税を滞納していても廃車手続きはできるの?
自宅の車を廃車したい場合、「自動車税の滞納分があると手続きを進められないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。基本的には未納期間が長くなければ廃車手続きを進めることが可能ですが、当然その後に未納分の支払いが必要です。今回は、自動車税の滞納分がある場合の廃車手続きについて、未納期間などのケースごとに詳しく解説します。
自動車税を滞納している場合廃車手続きは可能か
自動車税を滞納していても、基本的には問題なく廃車手続きできることがほとんどです。ただし、自動車の所有者や自動車税の滞納期間によっては、支払いを済ませなければ手続きできないケースも。ここでは、廃車手続きが進められるケースと進められないケースに分けて解説します。
未払分がそのままでも廃車できるケース
そもそも廃車手続きを行う陸運支局と税金を管理する税務署は別物であるため、納税証明書の提出が不要な廃車手続きであれば、税金の滞納が発覚する可能性は低いです。大まかな目安として、未納期間が1年前後であれば問題なく廃車できるでしょう。もちろん、廃車手続きによってこれまでの支払い義務がなくなるものではないため、早期の支払いが求められます。
廃車手続き完了後、約2か月以内に自宅に納付書が届きます。納付書が手元に届いたら、できる限り早めに支払いを済ませましょう。放置していると差押えに発展してしまう場合もあるため注意が必要です。
自動車税を支払わなければ廃車できないケースもある
基本的には廃車手続きに納税証明書の提出は不要ですが、例外として、車検証に記載されている車の所有者が信販会社・ディーラーなどになっている場合には、廃車の際に納税証明書が必要となります。この場合、納税証明書の提出先は陸運支局ではなく、所有者である信販会社・ディーラーです。廃車手続きは信販会社・ディーラーに必要書類の発行をお願いして行いますが、納税が済んでおらず納税証明書を提出できない場合には、必要書類を発行してもらえません。
長期間自動車税を滞納した場合
前述のとおり、自動車税の滞納期間限が1年ほどであれば、問題なく廃車手続きが可能です。しかし、自動車税を長期間滞納していた場合、手続きを進められない可能性もあります。ここでは、長期間自動車税を滞納した場合の廃車手続きについて解説します。
未払い期間が2年を超えると手続きを進められない
税金の未払い期間が一定の年数を超えると、抵当権設定や差押えなどの嘱託保存が実行されているケースもあるのです。嘱託保存の判断は各都道府県に委ねられているため“2年間の滞納で対象となる”というような共通の決まりはありません。
そのため、いつの間にか抵当権設定や差押えがされており、気付かないまま過ごしている場合がほとんどです。嘱託保存が実行されていると当然廃車手続きを進めることはできず、まずは未払い分を支払ってから手続きをする必要があります。自分の車が嘱託保存の対象となっているかどうかは、陸運局で登録事項等証明書を取得して確認可能です。目安として、2年以上の滞納がある場合には注意が必要です。
数年間におよぶ長期間の未払いでは職権抹消の恐れも
数年間にわたって車検を行わず、税金の支払いもしていない場合には、納税書が届かないケースもあります。この場合、手持ちの車は職権抹消されており、すでに廃車扱いになっています。車を処分したい場合は、解体業者を手配して解体しましょう。
軽自動車や原付バイクの税金を滞納するとどうなる?
それでは、軽自動車や原付バイクの税金を支払っていない場合はどうなるのでしょうか?軽自動車や原付バイクの税金は金額が大きくありませんが、滞納を放置していると差押えの対象となる場合もあるため注意が必要です。ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
軽自動車税の滞納
軽自動車税は普通自動車とは異なり、管轄先は市区町村です。また、普通自動車と比較して税金の額も少額となるため、軽自動車税の滞納だけで嘱託保存されることはほぼないと考えてよいでしょう。
ただし、軽自動車税のほかにも滞納している税金がある場合には、それらと合わせて嘱託保存が実行されるケースもあります。廃車の際には、先に滞納分の税金を支払っておくのが賢明です。
原付バイクの税金滞納
原付バイクにかかる税金の種別は軽自動車税であり、金額は2,000円です。原付バイクも軽自動車税同様、数年の滞納だけで嘱託保存の対象となるケースはほとんどないでしょう。
しかし、税金の支払いは義務であり、滞納を放置することにはデメリットしかありません。未払いがある場合には、速やかに支払いを済ませるのがおすすめです。
まとめ
今回は、自動車税の未納がある場合の廃車手続きについて、それぞれのケースごとに詳しく解説しました。自動車税を滞納していても、廃車手続き自体は可能です。しかし、所有者が信販会社やディーラーである場合、未納期間が2年を超える場合には廃車できないケースもあります。また、嘱託保存が実行される際、年数などの共通の基準が定められていません。都道府県ごとの判断基準も公開されていないため、まずは滞納を放置しないことが重要です。また、軽自動車や原付バイクは税金も少額ですが、ほかの未納分があれば差押えの対象となり得るため注意しましょう。