廃車にするとお金が戻ってくる!?還付金を受け取る方法とは

廃車にすることで受け取れるお金があることをご存じでしょうか。廃車の際、前払いしていた税金や保険金が、残りの期間に応じて還付される制度があるのです。そこで今回は、廃車で受け取れる還付金について、還付の条件や申請方法などを詳しく紹介します。廃車を検討している方は、受け取れるお金があるかどうかぜひチェックしてみてください。
廃車で戻ってくるお金の種類
まずは、廃車で戻ってくるお金にはどのようなものがあるのか見てきましょう。
自動車税
自動車税は自動車の所有に対して課される税金で、毎年4月に1年分を前払いしているため、年度途中で廃車にすると未経過分が還付されます。軽自動車を除く自動車において、廃車手続きをすると自動的に還付がなされます。
自動車重量税
自動車重量税は、車両の重さに応じて支払うことが義務付けられている税金で、主に道路整備に関わる予算として使用されている国税です。新車の登録時や車検時に、次の車検までの2年もしくは3年分をまとめて支払います。“使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度”は、自動車リサイクル法に基づき、使用済自動車が適正に解体され、解体を理由とする永久抹消登録申請または解体届出と同時に還付申請が行われた場合に、すでに支払っている自動車重量税の残存分が還付される制度です。
自賠責保険
自賠責保険は“自動車損害賠責保障法”に基づき、交通事故の被害者を救済することを目的とした保険で、すべての車に加入が義務付けられているものです。新車の購入と同時に加入し、初回は3年、それ以降は2年ごとに保険を更新する必要があります。廃車にした場合は適切な手続きをすることで、次回車検までの残りの期間に応じて前払いしていた保険料が還付されます。
そのほか任意保険
自賠責保険で補償されるのは対人事故のみに限定されているため、対物事故を対象とした自動車保険に任意で加入しているケースも多いのではないでしょうか。任意で加入している自動車保険においても、廃車で還付金が戻ってくる場合があります。金額や条件などは保険によってそれぞれ異なるため、廃車を決めたら保険会社に確認しておくとよいでしょう。
【自動車重量税】還付金が戻ってくる条件と手続きの方法
次に、それぞれの還付金が戻ってくる条件と手続きの方法を紹介します。まずは自動車重量税についてです。
還付金が戻ってくる条件
自動車重量税の還付を受けるための条件として、まずは永久抹消登録をしていることが挙げられます。抹消登録には一時抹消登録と永久抹消登録があり、車を解体することはせず一時的に抹消し、必要になれば再度車検を通して使用できる一次抹消登録に対し、永久抹消登録では車を解体し完全に使用できないようにします。
2つ目に車検の残存期間が1か月以上あることです。自動車重量税の還付金は、すでに支払いが済んでいる自動車重量税を車検残存期間で分割して算出されるため、車検の残存期間が1か月以上あることが条件となるのです。
3つ目に地方税の滞納がないことが挙げられます。住民税や固定資産税、地方消費税などに滞納があると、自動車重量税の還付を受けられない場合があります。滞納がある場合は還付金と滞納金が相殺され、結果的に還付金を受け取れないということになるのです。そのほか中古買取りやほか人への譲渡など、車がまだ使用できる状態で手放す場合も還付金の申請はできないので注意しましょう。
還付金の手続き方法
還付金の申請は、廃車をディーラーなどの引取業者に引き渡し、その後引取り業者から解体されたという通知を受けてはじめて行われます。指定の書式に還付申請に係る必要事項を記入し、管轄の運輸局などへ提出することによって申請手続きが完了します。
【自賠責保険】還付金が戻ってくる条件と手続きの方法
続いて、自賠責保険の還付について、条件や手続き方法を紹介しましょう。
還付金が戻ってくる条件
自賠責保険の場合も自動車重量税と同様で抹消登録がされていること、自賠責保険の残存期間が1か月以上あることが条件となります。自治体が管理する税金とは異なり、自賠責保険は保険会社との契約なので、解約の際は保険会社に連絡する必要があります。解約方法や必要書類が保険会社によって異なる場合もあるため、廃車を決めたらまずは連絡して確認しましょう。
還付金の手続き方法
普通自動車の場合、自賠責保険の解約および還付金の申請には、一時抹消登録証明書または登録事項等証明書のコピー、自賠責保険証の原本、認印、振込先口座などが必要です。これらの書類をそろえて保険会社の窓口に提出します。郵送での申請が可能な保険会社もあるので、事前に確認するとよいでしょう。
まとめ
廃車にすると、今回紹介したような還付金が受け取れる可能性があるので、忘れずに申請したいものです。とくに自賠責保険は廃車にした日からではなく、保険会社に解約申請をした日から還付金の計算がされるので早めの申請をおすすめします。煩雑な還付申請は、素人にはなかなか手間がかかるものですが、こうした手続きを無料で代行してくれる廃車買取業者も多くあります。用意しなければならない書類などについても丁寧に説明してくれるので、安心して任せられるでしょう。